こだわりの珈琲探訪#4

こだわりの珈琲探訪 by 豆樽屋珈琲

“ココ”の深煎りが飲みたい|てらにし珈琲店

おはようございます

こんにちは、そしてこんばんは。豆樽屋珈琲です。
今回は県外のお客様からも愛され続けている、広島市中区の自家焙煎・ネルドリップの本格深煎り珈琲を堪能できるお店、てらにし珈琲店を紹介したいと思います。

1978年5月広島市中区宝町と、目前には国道2号線が伸びる交通要所の地に構える当店は創業以来、自家焙煎のコーヒーと自家製のパンを安定した味とサービスで提供し続けてきました。本店・国泰寺店ともに『店=舞台』と思い、一杯の珈琲を通じて一人でも多くの方に喜んでいただくことを使命とされておられます。そのため、お客さんへのホスピタリティサービスの質も大変ケアされておられます。

てらにし珈琲店本店(中区宝町)の外観。近くにはフジグラン広島もあります。 写真 from 広島CLiP新聞

今回は本店へ10時半ごろに訪問しました。この時のお客さんの年齢層は20代〜60代後半と幅広く、1人で来られたお客さんと2人組のお客さんの割合は半々ぐらいでした。店内は常時満員でしたが、約20分ごとにお客さんが入れ替わるので、かなり回転率が高いなぁと思いましたね🧐

席は23席で、テーブル席とカウンター席があります。写真 from PECOMAG

1人でこられたあるお客さんは、カウンター席に着くやいなや、給仕に『いつもの』と注文されるとさっそうと新聞を読み始めておりました。またとっても和やかにブランチをされる2人組のお客さんも見受けられました。
交通要所に構える本店には、近くのホテルで宿泊されておられる旅行客や常連が多く来店されて、活気がありつつも整然とした落ち着きもある空気感で、とっても居心地よく過ごしやすかったです。

本店の名物メニュー「モーニングセット」935円(税込)は午前11時まで提供されます。 写真 from PECOMAG

店主・寺西氏は、

店主・寺西隆幸氏。 写真 from 広島CLiP新聞

18歳のとき進学ではなく、父が関わっていたボウリング事業の一部の運営に就いたそうです。その後広島のメイトー乳業の社長からの打診で20歳の時にレストラン業務に就くことに。しかし、それまで飲食の経験がなかったことから、未熟さに悩んでいたところ、大手のコーヒー業者の方から「神戸にしむら珈琲店」を教えられ行ってみることに。実際に行ってみると、当時寺西氏が思ってきた飲食のイメージをひっくり返す、活気に溢れた店内に衝撃を抱いたことをきっかけに、「神戸にしむら珈琲店」で飲食の修業をすることを決断されます。

神戸にしむら珈琲店での2年間の修行時代に、コーヒーの淹れ方はもちろん、コーヒーなどに使うミルクのことや、カップの細部まで綿密に指導をしていただいたのだそう。その後諸事情により、一旦広島へ帰省され、県内のホテルで料理の修行をされました。その間も神戸にしむら珈琲店によく行っておられたのだそう。ある時いつものように訪問したにしむら珈琲で、居合わせていた専務や社長から直々に、独立への後押しをもらったことが大きな動機となり、25歳終わりに現在の本店の場所に開業されたのだそうです!

寺西氏が淹れる珈琲の味わいはどんなものなのでしょうか?

今回注文したメニューは、トーストセット(ブレンドコーヒー・トーストで税込935円)。小腹が空いていた時間帯でコーヒーのお供の量としても、ちょうど良いサイズでした(1枚のトーストを4等分に切り分けて、その上に4種類のフルーツジャムを添えていただきました)。

本店のブレンドコーヒーは一杯660円(税込)

液温は70後半の温度帯かな。
1口目の飲みあたりから、苦味や渋みを極力抑えたまろやかで飲みやすい印象を持ちました。ブラックコーヒーが苦手という方も美味しいと感じられる、支持される飲みやすさを備えた一杯だと思います。
深煎りのブレンドといっても、ブレンドされている銘柄の配合率やネルドリップによる抽出が丁寧に計算して行われているからなんなだろうなと思いました。
喉越しの際も、スッキリした味わいを堪能!いい意味で、ごくごく飲めちゃいます笑

寺西氏の修行先神戸にしむら珈琲店ではネルドリップ式だったことから、てらにし珈琲店でも同じ淹れ方をされているそうです。 写真 from 広島CLiP新聞

(これまでに「こだわりの珈琲探訪」で取り上げたお店でもそうでしたが、)てらにし珈琲店もまた、コーヒーを注ぐギリギリまで、カップを80度程度のぬるま湯に湯煎しておられました。
そして、もう1点。自家製カップが口当たりは優しく、液温も冷めにくいように厚めに設計されている点も、長時間温かいコーヒーを楽しめる要素となっています。

20分程度経っても中のコーヒーはあったかかったです。写真 from 広島CLiP新聞

店内と隣接して、焙煎室があります。ここには、アメリカのデードリッヒとオランダのギーセンと並ぶ世界三大焙煎機メーカーの一つである、ドイツのプロバット社製の大型焙煎機が鎮座しています。ちなみに、WBC (ワールド バリスタ チャンピオンシップ) やカップオブエキセレンス(コーヒー生豆のオークション)などのスポンサーにもなっているプロバット社は、ドラム式焙煎機においては生産能力のある焙煎機をラインナップとして多く持っておられ、国内の自家焙煎カフェで焙煎機として採用されているカフェは非常に多い印象を持ちますね。

隣接する自家焙煎室。 写真 from PECOMAG

てらにし珈琲店の焙煎やコーヒーの淹れ方に対する方針はとってもシンプルで、それは当店HPでも確認することができます。

自家焙煎珈琲の種類にあった焙煎方法で毎日焙煎を行う。
淹れ方焙煎豆を粗めに挽き、一杯に20g使用する。
・より口当たりが優しく雑味の残らない珈琲にするために、オリジナルのネルで抽出する。
公式HPの内容を参考とした。
てらにし珈琲店が目安とされている、珈琲と水の分量の目安(クリックしてみて)

1人前 [水]180cc[粉]20g
3人前 [水]540cc[粉]50g
5人前 [水]900cc[粉]70g

本店メニュー。会計時に自家製パン1斤とコーヒー豆(キリマンジャロ200gが多かったかな)の注文されるお客さんが多かったです。

また、実際に本店で堪能した他の方からの声も見てみると、

—Oさんのレビュー—
“昔ながらの喫茶店です。モーニングセットを頂きましたが、自家製のドレッシングのかかったサラダ、自家製のトースト、自家焙煎の珈琲に自家製のミルクと結構手間をかけて提供されてます。サラダもトーストも美味しいですよ。珈琲は昔ながらのネルドリップで、手淹れです。味はちょい苦で濃いめなので、ストレートよりもミルク入れた方がまろやかで美味しいと思います。ホスピタリティも高レベルで皆さん常連になるのが分かりますね。”

—Uさんのレビュー—
“10時前に到着。店内は満席でした。クチコミにあったように、本当に細かな気遣いに感謝し感動しました。苦手なお野菜はございませんか?と尋ねられ「トマトが。。。」とお伝えするとトマトの代わりに胡瓜を増してくださいました。ブレンドコーヒーもミルクを足したら美味しさアップ!トーストもバターがしみてとても美味しかったです。駐車場: お店向かいに、縦列駐車場あり。”

—Mさんのレビュー
“木調で統一された店内、ワイシャツ姿の店員さん、木彫のロゴ、ちょっと裏通りにあって、。地域の方に愛されている、古き良き珈琲屋の雰囲気を今もそのままに残す、珈琲喫茶。
常連のお客様がとても多いみたいで、挨拶と其々のお客様に合わせたこまめな接客をしておられます。一杯百円や低価格な珈琲が一般的となりこういった喫茶店の生き残りがとても厳しい時代にあって、今では割高に感じてしまい入り難いお店だと思いますが、平日の朝からモーニングを食べにいらっしゃる方で混み合っている貴重な珈琲店だと思います。”

—Nさんのレビュー
“行きつけの美容室で「これ以上の喫茶店に出会ったことがない」とおススメされて初めて訪れました。他の方のクチコミの通り接客サービスのクオリティが半端なかったです。具体的な内容については割愛。他の方のクチコミを確認ください。駐車場が縦列なのですが、車の移動が必要になった場合は店員さんがキーを預かって迅速に動かしてくれます。その際、「ナンバー○○の○色の軽自動車のお客様ー!」等聞かれません。来店して間もなくそのお客さんがどんな手段(どんな車で)で来店したかそれとなく聞いて、しっかり車種もチェックしてるようです。ブレンドコーヒー、大変美味しかったです。迷わず豆を自宅用に購入しました。値段もとてもリーズナブルでしたので飲食するたびに買って帰ろうと思います。”

Googleレビューよりランダムに4つ抜粋

国泰寺店について

てらにし珈琲店のもう一つの店舗、国泰寺店。宝町にある本店とは徒歩で10分程度の距離しか離れていません。今回は本店の後に、国泰寺店にも12時前に寄ってみました。

てらにし珈琲店国泰寺店の店内。お店に入ってまず手前のカウンターでメニューを注文することから。
写真 from てらにし珈琲店HP

訪問してすぐ気付いた点としては、国泰寺店の客層は本店のそれと大きく変わります。国泰寺店は同じ中心部でも企業オフィスの多い大通りの側に構えているためか、来店客の半数以上がスーツ姿の方たちでした。ビジネスライクな会談が控えめにやられている席が多かったですね(本店とは違った賑やかさがありました笑)。

ブレンドコーヒー(440円、国泰寺店)。国泰寺店は席が多いこともあってか、このように盆に載せられて提供されます。

本店のブレンドコーヒーと比べて、最初の一口目は味わいも含めて同じように感じたが、二口目以降、ある程度口に含んで喉へ通すまでの間に、苦味と酸味を若干多く感じました。

完全に個人的な好みになってしまいますが、本店で寺西氏から直接淹れて頂いたブレンドコーヒーの方が口当たりや喉越しや後味も含めてまろやかで飲みやすいなと思いました。またさらに一杯の珈琲を楽しみたいという欲から考えても、本店の方が珈琲の総合力は高いと感じましたね。

寺西氏の弟子の活躍も見逃せない!

2018年に広島市中区舟入町でcafe fragrant(カフェ フレグラント)というカウンターのみの喫茶店を開業された越岡芳史氏は、開業までの12年間はてらにし珈琲店で修行された、まさに寺西氏の弟子のお1人でおられます。越岡氏お一人でお店を回されながら、コーヒーはてらにし珈琲店のブレンド豆を使用されており、ネルドリップで丁寧に淹れられるそうです。またてらにし珈琲店で修行される前までは、「西洋菓子処バイエルン」でパティシエをされてこられたご経験から、当店では越岡氏特製のオリジナル西洋菓子メニューもブレンドコーヒーと並ぶ、看板メニューだとか。

お店は、広島電鉄の「舟入幸町」の電停の向かいにあります。 写真 from ジャックとまめの木

最後に

今後読者の皆さんのなかで、広島市内へ寄る機会のある方がおられましたら、てらにし珈琲店の本店と国泰寺店の2店舗それぞれで珈琲ブレイクを満喫してもらいたいものです😌それでは、店舗情報を改めて整理しておきます。

■てらにし珈琲店 本店
住所:広島県広島市中区宝町6−15
電話:082-249-3850
営業時間:8:00〜18:30
定休日:日曜・祝日
駐車場:お店の真向かいに専用駐車場有り(7台)
席数:23席
詳細:コチラより

■てらにし珈琲店 国泰寺店
住所:広島県広島市中区国泰寺町1-3-15
電話:082-242-3850
営業時間:8:00〜18:30
定休日:日曜・祝日
駐車場:なし
席数:60席
詳細:コチラより

お客さんの好みで飲んでいただけるコーヒーを目指して、ブラックでももちろん楽しめて、砂糖も溶けやすくコーヒーの角を取ってくれるものを採用したり、ミルクもコーヒーに合うよう1㏄ずつスポイトで調整してみたりと、どんな飲み方でも常に安定した味わいを提供できるよう、毎日の綿密な準備レベルの高さに感嘆しました。ひとえに寺西氏の仕事への熱意の裏に、お客さんとの出会いを本当に大切にする意思を今回の訪問を通じて感じました。

こだわりの珈琲探訪では、
その一杯を求めて、出かけたくなる“をコンセプトに、記事を作っていきます。 
HOTなコーヒーとHOTなストーリーと共にHOTな時間を☺️

それでは、今回はここまで。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
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