こだわりの珈琲探訪#6

こだわりの珈琲探訪 by 豆樽屋珈琲

“ココ”の深煎りが飲みたい|Cafe&Bake NAKAMURAYA

おはようございます

こんにちは、そしてこんばんは。豆樽屋珈琲です。
今回はサイクリストの聖地とも呼ばれる「しまなみ海道」、その終点今治の中心商店街に、ふらっと立ち寄れる明るく気さくなコーヒー店『Cafe & Bake NAKAMURAYA』をご紹介したいと思います。

2016年に今治商店街の入口近くにオープンした「a cup of…ナカムラコーヒー」は、2022年7月1日、店名も現在の『Cafe & Bake NAKAMURAYA』と改め、商店街港寄りにリニューアルオープンしました。実はここは、店主・中村氏の実家でもある老舗の蒲鉾店があった場所。家業の屋号を引き継いで、「商店街に再びにぎわいを取り戻すきっかけになれば」という思いもこめて移転を決意されたそうです。

当店の周りには鮮魚店や古着屋、宝石店などがあって、改めて商店街にいることを自覚しました。画像 from ファルコン

今回は、平日のお昼あたりに寄ったためか、仕事の合間の小休憩がてら一杯頂く方、1人席で読書を嗜む方、奥さんと楽しそうに互いのお子さんの近況を話している方が居りました。商店街に構えるだけあって、町の人々が集えるお店、そして一人でふらっと来店される方も多い印象でした。

店主・中村氏の実家でもある、中村屋蒲鉾店の木彫りの看板が、カウンター上に飾られています。
画像 from ウォーカープラス

店内に入ると、ここの雰囲気にピッタリなカフェBGMが流れ、白く塗られた一面の壁にはセンス良くドライフラワーが掛けられています。また、北欧家具でよく見られる優しい色合いの椅子や机、店内を柔らかく照らす間接照明など、全体的に色味の調和が図れた空間。ここに居る間は充足感で満たされました。

産地も風味も様々な6種類のコーヒー豆が常に準備されています。
画像 from ウォーカープラス

当店で提供されるコーヒーは、今治のエスプレッソの先駆者・Barrel Coffee Roasterの高橋氏が焙煎したコーヒー豆から、中村氏が淹れてくれます。店舗で注文できる豆は、シングルオリジンの個性際立つ6種。これらの種類も時季替わりでラインナップが変わるそうですよ。

当店のアメリカンベイクは、本当にボリューム満点で、美味しかったです。画像 from 海賊つうしん

またカウンターには、奥さん・文香さん手作りの様々なアメリカンベイクが陳列されています。隣には、これまた当店自家製のケーキも並んでいます。
入店してからは、まずここのカウンターで、注文するのが当店のスタイル。コーヒーと一緒に何のスイーツを食べようか悩ましいところ(今回実際に大変悩みました😅)。ただ、そんな時に文香さんに「このコーヒーにあうスイーツを教えてください」と言ってみてください。すると、期間限定のスイーツが陳列されている中でも、忖度のないオススメをいただけますよ。

店主・中村氏と文香さんについて

店主・西田氏と文香さん 画像 from 当店HP

店主・中村氏は、1990年(平成2年)、愛媛県今治市の今治銀座商店街の老舗・中村屋蒲鉾店を営む両親のもとに生まれました。その当時から商店には多くの喫茶店が点在しており、幼い頃から両親と共に喫茶店に出かけられていた中村氏。中学時代にはコーヒー好きであることを自覚するまでになったとか。

その後都内の大学へ進学した折に、出会ったバリスタという仕事が、(商店を営む両親の姿を見ながら過ごしてきた中で、ふつふつと思ってきた)自分で商売していく将来と、重なったように感じられたそうです。そして、開業を志すことに両親からの理解も得られた中村氏は、大学在学中に、東京のカフェ専門学校にも通い、日本バリスタ協会(JBA)ライセンスを取得され、ここから本格的なバリスタの道を歩みはじめます。

今治銀座商店街の入り口。毎年夏になると、毎週土曜日に「土曜夜市」が開催されます。 画像 from みとん今治

帰郷後、今治のエスプレッソのパイオニア・Barrel Coffee Roasterの高橋氏のもとで約2年、現場の仕事を経験されます。そして2016年、商店街の元洋品店のあった場所に、エスプレッソを中心にしたスタンドスタイルの「A Cup of…ナカムラコーヒー」を開業。

最初は一人で切り盛りすることを想定されていた中村氏は、ドリップよりも提供時間を早くできるエスプレッソを主体にしたスタイルを選びました。画像 from ウォーカープラス

中村氏はエスプレッソの抽出に、“エスプレッソ界のフェラーリ”とも称される、イタリアのLA MARZOCCOのエスプレッソマシンを採用し、開業時からいままで使用してきました。 

当店で使用されている、エスプレッソマシン。使用画像 from 当店HP

その4年後の2020年には、文香さんと結婚され、文香さんと共にお店を切り盛りするように。この頃から、現在では看板メニューとなっている、”コーヒーに合う”アメリカンベイクのメニュー開発が進んでいきます。
2022年には、中村屋蒲鉾店跡地へ移転し、「Cafe & Bake NAKAMURAYA」としてリニューアルオープン。

文香さんが、「コーヒーに合う」ように手作りされているアメリカンベイク。本場アメリカ南部ではコーヒーケーキと呼ばれ、日常のコーヒーシーンで食べられているスイーツだそうです。画像 from 海賊つうしん

一方で、奥さん・文香さんは、かつてアメリカへ留学した際、アップルパイをはじめとした数種のアメリカンベイクに出会い、シンプルだけど奥深いアメリカンベイクに衝撃を受けたんだとか。材料を混ぜて焼くだけと、特別な技法は必要としないスイーツなのですが、作り手の感性をちょっと加えるだけでまた全然違う味わいが生まれることに、ますます惹かれていったんだそうです。

文香さんはもっとこのベイクについて知りたい、学びたい思いが募っていく最中、前身の「ナカムラコーヒー」で“コーヒーに合うスイーツ”(コーヒーケーキ)を手作りして提供していた中村氏と出会うのでした(そして、結婚)。

三並知子さんと文香さん 画像 from 当店HP

その後お二人は、日本でのアメリカンベイキングの第一人者・平野顕子先生やその右腕(と先生がおっしゃっておられた)三並知子さんにも直接会われ、知識だけでなく、そのレシピまで習得されていきました。

中村氏の淹れる珈琲と文香さんの作るベイクの味わいは、どんなものなのでしょうか?

今回は、アメリカーノとベイクドチーズケーキのセットを、その後はドリップコーヒー(グアテマラ)とアップルパイを注文しました。

まずは、アメリカーノとベイクドチーズケーキのセットについて。

ベイクドチーズケーキ(550円)、アメリカーノ(550円)

・アメリカーノ
今回このアメリカーノについて、エスプレッソに湯を注いで作るスタイルとして、ドリップ・コーヒーとはまた異なる風味を楽しめそうだということで注文しました。
エスプレッソの濃縮された苦味を抑えつつ、喉を通した後はビターチョコのような余韻がしばらく続く感覚を味わえました。

・ベイクドチーズケーキ
チーズの控えな塩味とバニラの甘みがバランスの良く合わさった、マイルドな味わい。最下層の生地は、クッキー生地になって、一口で食感も楽しめるケーキでした。

続いて、ドリップコーヒー(グアテマラ)とアップルパイのセットについて。

ドリップコーヒー(グアテマラ、深煎り)、600円。 
写真を撮り忘れてしまったのですが😭、アップルパイはとってもボリューミーで650円(1ピース)。

・ドリップコーヒー(グアテマラ)
お汁粉の感じを思わせる、トロっとした口当たりのコーヒーでした。
喉を通すまでの間、口の中に含んでいると、ナッツ風味だけど香ばしすぎない。スモーキーな深煎りというよりかは、浅煎りも提供するコーヒー店ならではの、しつこくない焙煎度あいでした。

・アップルパイ
パティスリーなどで買って食べる、アップルパイよりもボリューム満点で甘さは控えめ。アップルの割合は多く、コーヒーと合うようにシナモンなどのスパイスが多く織り交ぜられていました。そして、サクサクとした生地食感もたまりません。
素材本来の味とシナモンなどのスパイスが織り交ぜられた味わい、そして食べ応えのあるところも本場アメリカのコーヒーケーキらしいですよ。

また参考までに、
これまでにCafe & Bake NAKAMURAYAを利用したことのある他の方からの声も見てみると、

—Nさんのレビュー—
“美味しいコーヒーとケーキがいただけます。ブランチメニューもありました。落ち着いた雰囲気のお店で、ゆったりできました。”

—Rさんのレビュー—
“散歩の途中に見かけて入ってみました。ワンドリンク制になっていています。先にメニューを注文する形になっています。縦に広い店内で席は2人席が4つ、4人席が2つあります。店内にはきれいな音楽が流れており、落着いた雰囲気です。私の席の机は少し安定感がなかったかな。と思いました。砂糖が容器から出すのが少し難しかったです。トイレもあって綺麗でした。
今回はバナナジュース、カフェラテのホット、スクウェアクラムケーキ、ピーナッツバターケーキを注文しました。バナナジュースはスッキリとした味わいで、カフェラテは酸味が強いので砂糖を入れたほうが良いと思いました。スクウェアクラムケーキは少し温かく、甘く
ピーナツバターケーキは、チーズケーキに似た感じで美味しかったです。
店員さんに冷たいドリンクのコップが傾きやすいと教えていただきました。
感染対策のため、提供より1時間の利用となっています。”

—Sさんのレビュー
“平日のランチタイムに訪店。今治の商店街(はーばりー側)にあるお店。席に着く前にレジにて注文するスタイル。とても落ち着いた雰囲気のお店です。アイスコーヒーを注文。ガツンと酸味が強めで、好き嫌いハッキリ別れるテイストでした。少し空いた時間を埋めるのに丁度いいお店でした。”

—Eさんのレビュー
“今治港から徒歩5分ほどで、観光客にはとてもありがたい場所にありました!接客が特に良かった印象はなく、かつ1時間制なので気持ち的にはあんまりゆっくりはできませんでした。”

Googleレビューよりランダムに4つ抜粋

Cafe & Bake NAKAMURAYAで提供されている、コーヒーについて

当店で使用されているコーヒー豆はすべて、同じく今治市にコーヒー店を構え、UCCコーヒーマスターズ2016エスプレッソ部門優勝者であるBarrel Coffee & Roastersの髙橋裕司氏により焙煎された豆。

家業で使っていた倉庫内を高橋氏は、「Barrel Coffee&Roasters」の店舗へと空間リノベーションした。 画像 from ジューサンケンチクセッケイ

中村氏は開業前にこちらで2年間修行されていました。現在は、Barrel Coffee & Roastersの高橋氏が季節や気温に合わせ、ベストなエスプレッソになるようこだわって焙煎した豆から最高の一杯を提供できるよう、その抽出技術の磨きに注力されておられます。

最後に

今後読者の皆さんのなかで、今治市内へ寄る機会のある方がおられましたら、Cafe & Bake NAKAMURAYAで珈琲ブレイクを満喫してもらいたいものです😌それでは、店舗情報を改めて整理しておきます。

■Cafe & Bake NAKAMURAYA
住所:愛媛県今治市常盤町1-4-3
電話:0898-52-770
営業時間:10:00~17:00
定休日:火曜日/水曜日 
※営業時間帯や定休日の最新情報は、SNSをご確認ください。
駐車場:店舗斜め向かい前に有り(軽3台、普通車2台、自転車スタンドも有り)
詳細:コチラより

■Cafe & Bake NAKAMURAYAのコーヒーデータ
●焙煎機/なし(Barrel Coffee Roaster)
●抽出/ハンドドリップ(ハリオ)、エスプレッソマシン(ラマルゾッコ)
●焙煎度合い/中浅~中深煎り
●テイクアウト/ あり(550円~)
●豆の販売/ブレンド1種、シングルオリジン5種、200グラム1500円~

コーヒーデータは、ウォーカプラスより一部抜粋。

コーヒーは店主が、ベイクは奥さんと、それぞれの持ち味から自然と役割分担されている状態を見るに、夫婦で円滑に楽しそうに切り盛りされる理想的な状態に思えました。
また奥さん・文香さんには、“コーヒーに合うケーキ(スイーツ)を作る際は、シンプルな素材と生地に対して、シナモンなどのスパイスを多く織り込んで焼いてみて”とアドバイスを頂きました。
コーヒーだけを楽しむことも好きな私ですが、今回の訪問を通じて、コーヒーに合うスイーツと一緒に味わうことで、そのコーヒーのさらなる美味しさに気づくことができました。これは、私の中では素晴らしい体験となりました。
今後のコーヒーブレイクでは、ちょっとしたスイーツにもこだわっていきたいと思います!

こだわりの珈琲探訪では、
その一杯を求めて、出かけたくなる“をコンセプトに、記事を作っていきます。 
HOTなコーヒーとHOTなストーリーと共にHOTな時間を☺️

それでは、今回はここまで。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
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