こだわりの珈琲探訪#15

こだわりの珈琲探訪 by 豆樽屋珈琲

“ココ”の深煎りが飲みたい|森彦(もりひこ)

おはようございます

こんにちは、そしてこんばんは。豆樽屋珈琲です。
今回は北海道・札幌市内に構える、現代の古民家一軒屋カフェの先駆け的存在であり、その独自の世界観が多くの札幌市民から支持されている、『森彦』をご紹介したいと思います。

1996年創業の当店は、前代的な木造家屋に対し現代の生活様式もハイブリッドさせた唯一無二の構造物である。実に”北海道は寒い”ということを物語る、二重窓も見られる。
周辺の環境を見渡せば、レッサーパンダで有名な円山動物園や観光客が足繁く訪問する飲食店が多く点在している。
ちなみに休日ともなると、10組以上の行列を作るほどの盛況ぶりで、当店めがけて来店される旅行客はもちろんのこと、地元民の来店も非常に多いという。

北海道民に支持され、そして国内外のコーヒー通がわざわざ訪問するワケにかねてより興味があった。

森彦の外観|そこはまるでジブリの世界に迷い込んだような、、、

私が訪問したのは平日の15時ごろ。予想はしていたが、やはり行列ができていた。
この時期の札幌の外気はまだまだ冷たい。そんな中、店内へ案内されるまでの20、30分間を外で待つ間は、さすがに身体にこたえた。

ただ、さすがは名店。機転を利かした、ある一人の店員が外へ出てきて待ってるお客へ人数分のメニュー表を渡し、コーヒーやペアリングのスイーツ、お店のサービスについて快活にわかり易く、順に教えてくれた。振り返れば、この待っている間、退屈に感じることはなかったように思う。

建築物本来の純朴な質感を、食器の配置や店員の作法、落ち着いた照度により十二分に感じられる。

お目当てのメニューを注文し終えて、ようやく入店できた時には、注文したコーヒーやスイーツ、そしてお冷がお盆の上にセットされていた。後は、担当の店員がサーブするだけの状態。

ちなみに、当店では入店から約1時間の店内利用を採用していました。この店内で過ごせる時間に、制約を設けている点は、東京・中目黒のカフェ・ファソンを思い出しますね(カフェ・ファソンでは、2時間制を採用している)。

一杯の珈琲で来た甲斐を感じてもらえるために、お供のスイーツはお抱えのパティシエが作り、一級味の提供を心がける「森彦」

今回は、2階窓側の席を案内されました。
中抜きのある空気の通りが良い木造建築で、その無垢な材質や機能的に区画ごとに設けられた2名程度が座れるテーブル席が9席ほど用意されていました。

窓の多い店内は、薄暗い白熱灯を気にさせてないほど、明光が差し込んでくる。
そして床上を歩くたびに軋む音や、少しの微風で揺れる窓、またちょっとした隙間から外気を肌で感じたり、生き続ける古民家での生活を擬似体験する瞬間さえあった。

創業者・市川氏は、

森彦・創業者の市川草介氏

おじいさんの代から珈琲好きの家系で、ちゃんと豆を買ってきては、手挽きのミルで挽いてドリップして飲んでいたのだという。
そして10代の頃には喫茶店にしばし入り浸ることが増えていった。その当時の札幌には、オーナーの個性がキラリと光る雰囲気の良い喫茶店が今よりも多くあった。例えば裏参道にはイラストレーターの鯨森惣七さんがオーナーの「トマトムーン」、後の「サクラムーン」、日比三佑さんの「北地蔵」、古民家を利用した「可否茶館倶楽部」などが挙がる。

市川氏が喫茶店に入り浸ったのは、なにもコーヒーが好きという理由だけでなく、同時に自分の心が満足させてくれる空間を求めていたからだった。
まさにその頃は、将来何になるか、逡巡していた時期に重ねっていたという同氏には、将来を空想する場として喫茶店はどこよりも心地よい空間であった。

自分の人生をポジティブに捉え直し、将来のことを考えることができる喫茶店には、ただコーヒーを飲む場所だけでなく、こうした体験性も重要な役割なのかもしれないと感じた頃であったという。
後者への気づきが、同氏がプロデューサーへとキャリアを築いていくきっかけとなった。

機械化が著しい現代、そのことはコーヒー業界でも同じこと。ただ見方を変えれば、こうした丁寧なフルサービスが贅沢になった時代とも言える。

20歳を過ぎた頃、同氏は父と一緒にデザインプロダクションを札幌・円山で始めた。そのデザインオフィスは、裏参道にある現在の「 森彦」のすぐ近くにパン屋さんの場所。
この頃、現在の「森彦」には人が住んでおり、この前を通ってデザイン事務所で働いていた同氏は、かの居心地の良いカフェが自分の仕事場の近くにあればいいなと、ずっと思っていたという。
後に「森彦」となる古民家を見ては、「ここでカフェをやれたらいいな」と構想を固めていった。

そうこうしているうちに、ひょんなことから住んでいる人が引っ越して、あの古民家を手に入れることができ、温めていた構想を動かすことにした。この構想に快諾した同氏の父が軍資金を出してくれた。そして3年をかけて手作りでカフェを作っていった。

ちなみに「森彦」という名前は、円山の森が近い木造民家ということや、自然、ネイチャーから引き出されるクリエーティブな感性から多くの影響を受けたきたことが重なって名付けたのだそう。

お出しするコーヒー、そしてスイーツは珠玉の一品。控えめながらも誇りさえ感じる。選べる種類は以上の通りだ。

開業直後のしばらくの間は、おいしいと思った珈琲屋から豆を仕入れ、この美味さを自らの手で焙煎できるまでは、火力や、釜の特性、プロパンがいいのか都市ガスがいいのか、気温、湿度をデータにまとめてみたりと何度も何度も何度も試行錯誤を重ねていった。

そんな森彦のコーヒーは愛飲家の間で、”ハンドドリップによるスルスル飲める究極の深煎り”と表現されている。

「森彦」の珈琲はどんな味わいなのでしょうか?

今回の訪問で私は、当店限定ブレンド「森の雫」とそのペアリングの一品として「ガトーフロマージュ」をいただきました。

森の雫 ¥913(税込)、ガトーフロマージュ ¥550(税込) 上のようにセットで注文すると、50円引きとなる。

森の雫(中深煎り)
モカ、マンデリン、コロンビアによるブレンドコーヒー。風味テーマは『コーヒーの原点』なのだそう。中深煎りとの説明があるものの、これは完全に深煎り。この地、北海道の中深煎りとはこんなにも深いのかと感じるものでした。一方で構成の仕方としては、モカが味の骨格を作っており、マンデリン特有の強い香りがしだいに強く鼻を抜けていきます。濃厚なカカオが後に残る。この一杯だけで満足のいく、もっと言えばこの一杯だけで1時間の堪能を約束してくれる味わいでした。

ガトーフロマージュ
チーズそのものを食べているような濃厚なチーズケーキ。上の『森の雫』とのペアリングにぴったりな絶妙な甘度。ミルキーと表現するよりも、やはりチーズを食べていると表すことが近い。深煎り珈琲のお供に近似値な一品でした。

また、実際に当店のコーヒーを堪能した他の方からの声も見てみると

—Dさんのレビュー—
“店内の写真は他のお客さんもいたため撮影していませんが雰囲気はとても落ち着いています。駐車場も完備されているため車でも行けますが路地に入って行くため冬道は運転が苦手な人は勇気が必要かもしれません。運転が心配なら近くの商業施設または、パーキングを探して駐車してもいいと思います。相席でも良い方は入店が早い気がします。私は一階席で相席でした。
ガトーショコラと森の雫というコーヒーを注文。ガトーショコラは程よい甘さで口当たりもいいです。コーヒーはとても美味しいです。コーヒーがお好きな方は一度尋ねてみてもいいかもしれません。店員さんも対応が親切だったため素敵な時間を過ごせました。
私は窓側だったということもあり冷気が直に感じていたためかなり寒かった印象がありますがダウン着れば問題ありません。また、時間のある時にお伺いしたいお店です。
駐車場: 駐車場は何台か停めれると思いますが人気なお店なので日によって停めれるか変わると思います。”

—Tさんのレビュー—
“札幌へ来たらなるべく立ち寄っているお気に入りカフェ。ゆっくり読書したくなりますが、人気店なので1時間でお席譲るのが望ましい”

—Kさんのレビュー
“通されたのは、2階席。踏みしめる度に軋む音が歴史を感じさせる階段、掛け時計、テーブル。どれも趣きがあります。こじんまりとして、時間がゆっくり流れる素敵な空間でした。コーヒーとケーキのセットを美味しくいただきました。”

—Mさんのレビュー
“北海道旅行といえばの森彦コーヒーさん。2年前も伺いましたが雰囲気、味ともに好きです。普段砂糖とミルクいれるのですがここのは入れないで飲んでます。美味しいです。古民家カフェならではの趣きと、店内に入ると薪ストーブの匂い。2階に通されオーダーすると一階でハンドドリップで入れてる最中のコーヒーの匂いがして雰囲気から味わえます。帰りに豆を購入しました。楽しみでまだ開けてませんが早く飲みたいです。”

Googleレビューよりランダムに4つ抜粋

最後に

今後読者の皆さんのなかで、北海道・札幌市内へ寄る機会のある方がおられましたら、「森彦」で珈琲ブレイクを満喫してもらいたいものです😌それでは、今回私が訪問した店舗情報を改めて整理しておきます。

■森彦・本店
住所:064-0802 北海道札幌市中央区南2条西26丁目2-18
電話:0800-111-4883
営業時間:9:00-20:00(L.O.19:00)
※5~10月のみ土・日・祝 8:00-20:00(L.O.19:00)
定休日:なし *年末年始休あり 
※営業時間帯や定休日の最新情報は、SNSをご確認ください。
駐車場:10台(他店舗との共用)
アクセス:地下鉄東西線「円山公園駅」 ④番出口徒歩4分
事前予約:不可
詳細:コチラより

数多くの雑誌やサイトで取り上げられているお店でありますが、撮影制限や利便性を敢えて追求していない立地、そして過度なサービスを追求しない和すら感じる節度ある店員の礼節などが、全体的に落ち着いた空気感、ゆったりできる安心感を再現していました。行列を避けられない点が私としては難点に感じますが、それ以外はコーヒー探訪にピッタリのお店。
是非、本店目掛けて足を伸ばしてみては??

こだわりの珈琲探訪では、
その一杯を求めて、出かけたくなる“をコンセプトに、記事を作っていきます。 
HOTなコーヒーとHOTなストーリーと共にHOTな時間を☺️

それでは、今回はここまで。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
またよかったら、本記事を大切な人へLINE等でシェアして今日の珈琲ブレイクを楽しんでください🎶
<https://mamedaruya-blog.com/hokkaido1/>

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