“ココ”の深煎りが飲みたい|高級喫茶・古城
おはようございます
こんにちは、そしてこんばんは。豆樽屋珈琲です。
今回は東京・上野駅から徒歩10分圏内、1964年東京オリンピックの前年にあたる昭和38年に、大正生まれの先代が中世ヨーロッパへの憧れを形にすべく世界美術大全集を参考に、自らのアイデアを詰め込み完成させた喫茶店、『古城』をご紹介したいと思います。
昭和の時代から続く純喫茶の数は、全国的に年々激減しつつある現在、それでもまだ東京には、昭和遺産といえる昔ながらの店が比較的多く残っています。中でも上野の街なかには華美な内装の喫茶店が点在しています。
訪問した日は、月曜日の13時ごろ。
昭和の純喫茶を愛でて訪問されていたお客さんはかなり国際色が豊かでした。それもそのはず。ここから上野駅へは徒歩で10分以内。
上野駅は旅行客やビジネスマンのターミナル駅。
当店の装飾の数々を一眼レフで収めようと必死に席選びに必死なお客さんもいれば、いつもの昼休憩のように過ごされる方、また軽い商談で来店されるお客さんがおられましたね。
会計も終わりお店を出ていくお客さんを後ろに、また新たなお客さんが入店される。
この流れはひっきりなしで、歯止めがありませんでした。
フットワークも軽めに、一休憩できる程度にゆっくりくつろげました。
店員さんは、この節度を保つために常に各席の進度を確認されていましたね。
また当店のメニューは、全ての単品メニューをセットメニューの組み合わせ次第でオールカバーできる構成となっていました。
知る限り、多くのお客さんがセットメニューを注文されていました。食事の後にコーヒー。あるいはスイーツと一緒にコーヒー。1組のお客さんに対して、2段階のサービスを提供するので、常に各席の進度を見て回る店員の動きはとても機微ながら、おしとやかなものでした。
その他、渡される分厚いメニューはまるで本のよう。メニュー表だけでなく、取材や撮影などで当店の空間がどれほど使用されてきたかを知ることができる切り抜きも納められており、わざわざ来店した甲斐を再確認させてくれる上質な資料でした。
「古城」と松井氏
昔からヨーロッパに憧れがあったという先代・省三氏は、欧州の古い城や寺院をイメージした内装の喫茶店を資料に基づいて、自らのイマジネーションも織り交ぜて作り上げたのだとか。
「古城」という店名から、太い柱や壁には大理石または、大理石の皮石が使用され、その他の建材やデザインの内装についてもそれらに造詣の深い腕のいい職人に手がけてもらったのだといいます。
現店主・京子氏曰く、「全てが本物じゃなくちゃダメなんです。父はそういう人でした」
本物を追求した先代のイズム。それを存分に感じさせてくれるものが、一番奥の一際目立つ大きなステンドグラス。世界遺産であるロシアのエルミタージュ美術館にある大使の階段がモチーフにされたのだそう。先代・省三氏の美意識と想像力から全てが古城のオリジナルである点には、来店された誰もが感心されるでしょう。
喫茶店の顔であるコーヒーも質が高い。今は、1杯ずつ淹(い)れるハンドドリップを採用するお店が多い中、古城では客の入りを見込んで、ある程度の人数分をまとめて淹れて作るやり方を創業時から続けておられます。
先代・省三氏が他界し、京子氏がお店を継いだのは30年ほど前。
京子氏には当時、父がこだわって作ったものを継ぐことに何の抵抗を感じなかったのだという。「子供の頃から手伝っていたので、そういうもんだって自然に思っていました。だから何の抵抗もありませんでしたね」
また、上野で商うのも正解だったと京子氏はうなづきます。
「当時から、上野のお客さまは服や靴を買いに来るというよりも、飲むか食べるかが多かったんです。だからたくさんお金を使ってくれましたね」
ちなみにブレンド珈琲のカップは、喫茶店好きなら知っている方も多い日本の陶器会社NIKKOの山水。古城では、男性だと青のカップ、女性だと赤のカップで提供されておられます。
古城のメニューそして、珈琲の味わいはどんなものなのでしょうか?
今回の訪問で私は、自家製カレーライス(“看板メニューなんですって”)、食後にブレンド珈琲とそのお供のモンブランをいただきました。
まずは、カレーライスについて。
親近感の湧き上がる馴染み深い味わいを体験できます。じっくり煮込まれたにんじんやじゃがいも、玉ねぎはしっとりほぐれて、とても甘い。定番とうなづける確立した味わいとトロミのあるカレーライスでした。
次に、ブレンド珈琲とそのお供のモンブランは、
・ブレンドコーヒー(深煎り)
テーブルへ提供されるころには、液温は約80〜85度あたりになっていました。中立的なクリアなボディー。長く継がれきたこの一杯には、ブレンドされた銘柄の選別やそれらの配合率へのこだわりを強く感じました。・モンブラン
栗と生クリームの互いの異なる甘みと素朴な味わいを楽しめる一品。ブレンドコーヒーのお供にはピッタリな一品でした。特に栗ペーストによる粘味とクリアな舌触りのコーヒーとの相性は抜群でした。
また、実際に当店のコーヒーを堪能した他の方からの声も見てみると
—Nさんのレビュー—
Googleレビューよりランダムに4つ抜粋
“喫茶好きなら一度は訪れてほしい名店。
店内のシャンデリア、ステンドグラス、石造りの壁、その全ての高級感がえげつなくて、圧巻。どこを切り取っても愛おしい空間が広がっている。平日夕方ごろに伺うと、お客さんもまばらでよかった。特上カバチなど、数多くのドラマ、テレビ番組のロケ撮影で使用されているらしく、それを見るのも楽しい。”
—Kさんのレビュー—
“上野のお城純喫茶店のひとつ。地下なのに思った以上に広い空間。
ゴージャス&シックな世界観で、ソファーに腰を下ろすとシャンデリア効果も相まってすでに自分にご褒美な感じ✨️サ活を満喫した後のモーニングだったのもあってか、今までで最高のハムエッグトーストでした💯スタッフの方たちも皆さんゴージャスで明るくフレンドリーで大変好感が持てました😄”
—Tさんのレビュー
“さすが老舗の喫茶店。入った時にタバコの臭いが鼻を掠めました。タバコは吸いませんが、特に気にならないのでいいけど、苦手な人には辛いかも。ソファーも年季が入っているが座り心地が良く、長居したくなる。
ミックスサンドイッチとコーヒーのセットを頼みましたが、サンドイッチはパンがフカフカ。タマゴがスクランブルにしたようなタマゴで、甘くなくて味の素とか旨味を感じる味でした。京都のたまごサンドとはまた違った味わい。コーヒーは流石しっかりした濃いめの味でとても美味しかった。ミルクピッチャーもいっぱい入っているのでカフェオレ風味で飲んでもちゃんとコーヒーの濃さがあって最高です。カップ&ソーサーも綺麗。次はテーブルの机にあったホットケーキを頼もうと思います。あとメロンソーダ。”
—Mさんのレビュー
“近くに用事があり、時間つぶしに利用。紙タバコを吸える、喫煙者にとってはオアシスのような場所。調度品やインテリアが昭和レトロでいい雰囲気なのだが、テーブルの足が太いタイプのため、自分の足場がかなり窮屈なのが気になった。あと客から見えるところにホコリの被った箱や私物が置いてあるのはちょっといただけない。せっかくの雰囲気が台無し。スタッフの対応はとても良い。”
最後に
今後読者の皆さんのなかで、東京・上野駅周辺へ寄る機会のある方がおられましたら、「古城」で珈琲ブレイクを満喫してもらいたいものです😌それでは、今回私が訪問した店舗情報を改めて整理しておきます。
■高級喫茶 古城
住所:〒110-0015 東京都台東区東上野3丁目39−10 光和ビル B1F
電話:03-3832-5675
営業時間:9:00〜20:00 (ランチ/ 平日11:30〜14:00)
定休日:日曜、祝日
※営業時間帯や定休日の最新情報は、SNSをご確認ください。
詳細:コチラより
◼️その他
全席喫煙
仕事を持っていきたい方には、ここでの重厚なコーヒーハウスとしての気品と優雅に過ごすお客さん、そして愉快な店員さんに囲まれて、良い意味でその仕事を投げ出したくなるでしょう笑
上野駅から目と鼻の先に、人足繁る高級純喫茶あり。
普段の間と切り離された当店の世界観と美意識に、まずは酔いしれてみては。
こだわりの珈琲探訪では、
”その一杯を求めて、出かけたくなる“をコンセプトに、記事を作っていきます。
HOTなコーヒーとHOTなストーリーと共にHOTな時間を☺️
それでは、今回はここまで。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
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